茶道人.com編集部[著]
最初に中国から移植された「茶」はグローバリズムの象徴であり、まさに「異国ぶり」そのものでした。やがて日本人のアイデンティティを自覚する「侘び茶」が成立します。本書では、「茶道(侘び茶)」と「文化茶(異国ぶり)」という対照的な2つの茶文化を跡付けながら、日本文化の深層に迫ります。
異国に存在するいろいろな茶とそれぞれの文化や、平安時代から近代までの日本の喫茶文化の歴史など、多様な角度からの侘び茶と文化茶についての考察から、日本人の思考法にまでおよんだ、ユニークな日本文化論です。
大人の教養としてぜひ、「茶文化」をとおして、異国と日本文化の変遷をたどってみてはいかがでしょうか。
<著者紹介>
佃 一輝
1952年大阪に生まれる。江戸後期以来、文人趣味の茶を伝える一茶庵宗家の当代。煎茶道とは異なる「文人茶」の伝承と再生をはかり、「文会」としての茶事を提唱。茶の湯文化学会理事。著書に『煎茶の旅~文人の足跡を訪ねて』(1985年)、『おいしいお茶9つの秘伝』(2000年)など。