茶道人.com編集部[著]
古田織部美術館(京都府京都市)では、利休生誕五百年記念「利休と織部」を12月11日まで開催中です。本展では、千利休と古田織部のそれぞれの好みの茶道具や書状、茶書などが展示されています。
古田織部とは、織田信長や豊臣秀吉に仕えていた戦国武将であり、利休七哲(利休七人衆)と呼ばれる、利休の高弟の1人です。千利休の死後には、天下一の茶人と称されたと言われています。また、わびさびの精神に基づいた、静謐な利休の美意識とは対照的に、斬新で奇抜な“破調の美”を好み、“織部流”という流派も確立させました。
普遍的な美を現出した千利休と、「へうげもの」と呼ばれ、歪んだ茶碗や細長い茶入などを好み、強烈な個性を放った古田織部は、それぞれ茶の湯の歴史に多大な影響を及ぼしました。茶の湯を牽引した、2人の「天下一」の茶人による審美眼を、茶道具を通して鑑賞してみてはいかがでしょうか。
2022年12月11日まで。