茶道人.com編集部[著]
三井記念美術館(東京都中央区)では、三井越後屋の開店350年を記念して特別展「三井高利と越後屋―三井家創業期の事業と文化―」を6月28日から開催します。本展では、三井各家が事業の発展とともに力を入れた、茶の湯などの文化活動の中で収集した多くの名茶道具を紹介します。
展示作品の中には、三井グループの創業者である三井高利(1622~94)が、毎年伊勢松坂に一族が集まる席で濃茶を立てたという茶碗「赤楽茶碗 銘 再来」が含まれます。本茶碗は楽家三代道入の作であり、室町三井家の時代から転伝してきた高利の茶の湯に関する唯一の遺品でもあります。
三井家が急成長を遂げた時代の茶の湯は、京都の豪商にとって必須の教養でもあり、茶道具の名品を所有することがステイタスでもありました。今回の展示では、多くの茶道具が並びますので、当時の茶道具収集の動きを垣間見ることができるかもしれません。
2023年6月28日から8月31日まで。