茶道人.com編集部[著]
土岐市美濃陶磁歴史館(岐阜県土岐市)では、「○△▢美濃桃山陶の形展」を9月30日まで開催しています。土岐市美濃陶磁歴史館では、開館44年を記念して、同館の資料収集の軌跡を振り返る展⽰をシリーズで開催しています。シリーズ第1回である今回は、同館収蔵資料のメインである「美濃桃⼭陶」をテーマに、様々な茶陶を展⽰しています。
「美濃桃⼭陶」とは、茶の湯が流⾏した安⼟桃⼭時代から江⼾時代初頭(16世紀末〜17世紀初)に、美濃で⽣産された茶陶です。「美濃桃山陶」には、「⻩瀬⼾」、「瀬⼾⿊」、「志野」、「織部」などの種類があります。
展示タイトルにある「〇△□」とは、茶陶の流⾏に伴って起きた器形の変化を表しています。「美濃桃⼭陶」の誕⽣により、ろくろ成形による正円形が基本だった陶器の形は多様化していきました。特に「織部」はゆがみや文様、色調など多彩さが特徴です。千利休の弟子であり、茶の湯文化にも多大な影響を与えた古田織部は、斬新なやきものを好んだことから由来して、江戸時代中期に「織部焼」と呼ばれるようになりました。
「美濃桃⼭陶」の銘品の数々をぜひご覧ください。
2023年6月10日から9月30日まで。