尾形乾山「花籠図」(重要文化財) 出展元:福岡市美術館
茶道人.com編集部[著]
福岡市美術館(福岡県福岡市)では、コレクション展「シリーズ茶の湯交遊録Ⅲ 原三溪と松永耳庵」を開催中です。本展では、実業家でありながら茶人としても知られる原三溪と松永耳庵の関係について焦点を当て、福岡市美術館が収蔵する松永コレクションの中から、多数の茶道具を展示しています。
原三溪は横浜の実業家で、茶人としても知られており、松永耳庵とともに「近代三茶人」に数えられています。また、松永耳庵は、自身の還暦を機に茶の湯の世界に足を踏み入れ、三溪の強い影響を受けた人物です。同館に収蔵されている松永コレクションには、三溪の旧蔵品も含まれており、今展では、重要文化財や重要美術品に指定されている名品も並べられます。展示品の中には、江戸時代を代表する茶人・松平不昧の旧蔵とされる「柿蔕茶碗 銘 白雨」があります。本作は、実際に茶会で使用され、重要文化財に指定される尾形乾山の「花籠図」とともに、秋の茶事の定番として愛用されていました。
このほかにも、貴重な作品の数々が展示され、作品にまつわる解説も紹介されており、実際の茶会の記録なども合わせて鑑賞することができます。ぜひこの機会に足を運んでみてはいかがでしょうか。
3月17日まで開催中。