茶道人.com編集部[著]
廣澤美術館(茨城県筑西市)では、「千住 博と黄金の茶道具 特別展」を5月12日まで開催中です。本展では、廣澤美術館が所有する日本画家・千住 博の作品を展示すると同時に、2023年5月に廣澤美術館が3億円で落札した「黄金の茶道具」を特別公開しています。
「黄金の茶道具」は、もともと豊臣秀吉の愛用品で、自らの黄金の茶室で使用していたものを伊勢津藩主・藤堂高虎に手柄として与えたとされ、太平洋戦争の金属類回収で一時、日本銀行に買い取られるも、戦後、再び藤堂家に戻されたという逸話を持ちます。本作のような金製の茶道具は最上級とされ、天下人やごく一部の有力大名の権威を象徴するものでした。作品一つ一つの造形のみならず、文様も非常に細やかに施されており、作者の高度な技術を伺わせます。
黄金色の輝きから優雅さや独特の気品を感じ取れる本作は、茶の湯の世界の中でも極めて希少で重要な作品と言えます。5月のオークションで落札後、初となる貴重な機会ですので、ぜひ鑑賞してみてはいかがでしょうか。
2月8日から5月12日まで開催中。