茶道人.com編集部[著]
湯木美術館(大阪府大阪市)では、春季展「幕末の茶の湯―箱書から見る伝統への眼差し―」を4月2日から開催します。本展では、茶の湯の人口が大名家から町人まで幅広く増大した幕末にスポットを当て、樂焼の茶碗をはじめとするさまざまな茶道具が約40点展示されます。
茶の湯の形式は江戸時代半ばに整えられ、幕末の時代に入ると千利休などの茶人たちへ関心が高まり、古い時代の茶道具を再評価する動きが見られました。今回展示される、利休好みの樂焼茶碗を多く制作したことで知られる樂家初代長次郎による「黒茶碗 銘 きりぎりす」は、利休の孫・千宗旦の箱書が添えられています。また、小堀遠州の美意識によって“中興名物”に選ばれた「信楽鬼桶水指」も同じく千宗旦の箱書が添えられています。
茶人が増加するにつれて茶道具はアレンジを加えられ、さまざまな要素を持った作品が生まれていきました。茶の湯の歴史を学ぶことができる機会ですので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
4月2日から6月23日まで。(途中作品入れ替えあり)