茶道人.com編集部[著]
本間美術館(山形県酒田市)では、企画展「本間家の茶道具」を5月31日から開催します。本展では、財政支援のお礼として庄内藩主の酒井家などから拝領したものや、本間家で大切に伝承されてきた多くの茶道具が展示されます。
本間家の茶道具には、本間家の菩提寺である浄福寺の住職・菊池秀言から受け継いだものもあります。今回、山形県や酒田市の指定文化財に選ばれている作品が展示されます。樂家初代・長次郎による「黒楽茶碗 銘 さび介」は、千利休の指導の下、楽焼を始めた長次郎が、黒に数奇の心を求め、利休のわび茶の理想をかたちにした作品と言われています。無作為のようで、計算されたつくりである本作品は、黒の中に鉄錆色の褐色を交えた色合いからこの銘を付けられました。
他にも、鎌倉時代に舶来し、室町時代の茶の湯では特に賞玩された唐物茶入「唐物大海茶入 銘 大内海」などが展示されます。本間家の歴史を、茶道具を通して学んでみてはいかがでしょうか。
5月31日から7月16日まで。