茶道人.com編集部[著]
彦根城博物館(滋賀県彦根市)では、テーマ展「茶壺―武家の美意識―」を5月17日から開催します。本展では、彦根藩井伊家に伝わる茶壺の優品を一度に展示し、それに合わせて茶壺に関するさまざまな資料も紹介されます。
茶壺は、茶の湯の葉茶を入れる容器で、織田信長や豊臣秀吉をはじめとする名だたる将軍たちに愛でられ、江戸時代に入ってからも、大名家の格式を示す道具として重用されました。今回展示される作品の中に、「褐釉四耳壺」があります。明時代に制作された本作品は、日本輸出の経路にあたるフィリピン・ルソン島の名前から「呂宋壺」と呼ばれていました。また、底部分には永井直勝や毛利秀元らの花押があり、有名な武将の手を渡ってきたことがわかります。
このほか、御用茶師の御茶入日記や、茶壺斡旋の際の書状なども展示されます。また、茶の湯における茶壺の歴史も垣間見ることができます。ぜひこの機会に鑑賞してみてください。
5月17日から6月18日まで。