茶道人.com編集部[著]
湯木美術館(大阪府大阪市)では、秋季展「茶道具で旅する」を9月1日から開催します。本展では「土地」に注目して、日本国内の場所とつながりのある茶道具が前・後期合わせて約40点展示されます。
茶道具の中には、銘・デザイン・産地に土地とのつながりを窺い知ることができる作品が多くあります。この内「銘」は茶道具が持つ固有の名前であり、地名に由来する銘を持つ茶道具も少なくありません。重要文化財の「志野茶碗 銘 広沢」に施された釉からは、京都嵯峨野の月見の名所、広沢池を連想させます。
また、「瀬戸肩衝茶入 銘 飛鳥川」には、流れの変化の激しさから、定めなき世のたとえとされる歌枕の「飛鳥川」が銘として付けられています。小堀遠州が再度目にした時に、かつて見た時には感じなかった古色を帯びていたことから、この銘が付けられました。
このほかにも、銘・デザイン・産地をトピックとして、土地とのつながりがある様々な茶道具が展示されます。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。
9月1日から12月8日まで(途中作品入れ替えあり)
湯木美術館
http://www.yuki-museum.or.jp/exhibition/index.html