茶道人.com編集部[著]
公益財団法人三徳庵の理事長であり、茶道文化研究においては定評がある田中仙堂の著書『お茶と権力 信長・利休・秀吉』(発行元:文春新書、価格:935円)が、2月18日から、全国の主な書店で販売されました。
『お茶と権力 信長・利休・秀吉』は、茶道文化普及に努めるかたわら、徳川林政史研究所や徳川美術館で歴史・美術を研究、茶の道に精通している田中仙堂が、「茶」を軸として、織田信長・豊臣秀吉、二人の天下人の戦略を読み解いた、新しい戦国史です。
本書では、室町から戦国にかけて、武士の文化として発展した「茶」。しかし、それは一方で政治のツールとしても活用されました。なかでも信長は「名物」とされた茶道具を家臣たちに分け与えることで、自らの信頼の証とし、家臣統制に活用します。またそれは外交のツールでもあり、茶の文化をリードした堺の商人たちと深く交わる手段でもありました。そのなかで、信長に重用された一人が、千利休であり、信長の戦略を継承したのが秀吉だった、と著者は説きます。では、なぜ堺の商人のなかでも後発だった利休が重用されたのか、そして秀吉の側近として盤石の地位を築いたかに思われていた利休が突然失脚したのか、本書で解説します。
本書は、「下剋上の始まりと茶」を第一章に、最終章の第九章では、「利休の茶と秀吉の茶」と展開しています。なお『お茶と権力 信長・利休・秀吉』は、全国の主な書店、および三徳庵で販売します。